高知県佐川町
佐川町立図書館「さくと」開館案内のデザイン

佐川町立図書館「さくと」の開館にあたり、利用案内とパンフレットのデザインを担当しました。建築やVI+サイン計画の世界観を引き継ぎ、来館者に図書館の歩みと新しい施設の使い方を手渡すためのツールを作成しました。

写真:机の上に、3つ折りのリーフレットとパンフレットが置いてあります

考える

佐川町民待望の新図書館
キーワードは“学び合い”

2024年12月に開館した佐川町立図書館「さくと」は、町の人口の3分の1にのぼる4,200余筆の町民の署名運動をきっかけに誕生しました。施設の総合プロデュースを行うアカデミック・リソース・ガイド株式会社(arg社)の協業者として、2024年1月からコミュニケーションデザイン支援を担当しています。

新図書館のコンセプトは“学び合いの広場”。県産木材を使った平屋建ての館内に足を踏み入れると、明るい中庭と木の香りが迎えてくれます。大きな大黒柱と中庭を軸に、開架スペースと6つのスタジオが8の字に結ばれており、利用者は思い思いの場所で過ごせます。

写真:「じっくりスタジオ」の館内サイン。もこもことした形状の緑色の突き出し板にノートと鉛筆のアイコンとスタジオ名が描かれています。
読書や勉強に落ち着いて取り組める「じっくりスタジオ」(VI+サイン計画:UMA/design farm)

開館までの1年間佐川町に通い、町の人たちが設計チーム、図書館チームと共に「文教のまちにふさわしい新しい図書館」を作り上げていく過程を間近で感じながら、理解を深めました。

写真:館内のイラストマップ上に手書きのふせんがたくさん貼ってあります。奥には2人のこどもの手が写っています。
開館前のイベントのワンシーン。新しい施設への期待が溢れています。

利用案内・開館パンフレット

「さくと」の世界観を手渡すツール

利用案内と開館パンフレットの制作は、地域プロジェクトマネージャーと連携しながら進めました。建築やVI+サイン計画の世界観を引き継ぎながら、町の人たちに情報をわかりやすく手渡すことを意識しました。

開館パンフレットは、佐川町立図書館の歴史、新図書館ができるまでの歩み、「さくと」の紹介をまとめた8ページで構成。エントランスに刻まれた「さくと5つのコンセプト」や、館内のイラストマップを手元で見られます。

写真:机の上に置いたパンフレットの中面。「さくとへつながる想い」の見開きページ。
イラストレーション:山本ひかる
サインの調整前後。館内サインでは枠の内側にあった文字を、利用案内では外に出すことで文字サイズを大きく表示しました。
UMA/design farm による館内サインをもとに、手元で見る距離に合わせて文字のレイアウトを調整

利用案内・パンフレットは、開館記念式典で配布された後も来館者に手渡されています。

写真:黄色い帽子をかぶったこどもたちが、たくさんのシャボン玉のなかをくぐって図書館へ入っていくところ。
開館初日、最初の来館者は佐川小学校の1年生でした

クレジット

総合プロデュース:アカデミック・リソース・ガイド / イユアーキテクチャー
図書館整備運営アドバイザー:赤松佳珠子 / 嶋田学 / 福島幸宏
情報環境設計アドバイザー:サイフォン
Webサイト構築:ローカルメディアラボ
図書館システム構築:ブレインテック
建築:ハウジング総合コンサルタント / 森下大右建築設計事務所 / イシバシナガラアーキテクツ
施工:岸之上工務店
情報環境:リ・パブリック
ランドスケープ:oriori
テキスタイル:Haruka Shoji Textile Atelier
VI+サイン計画:UMA/design farm
イラストレーション:山本ひかる