北川村「モネの庭」
情報発信支援のためのウェブサイトリニューアル

北川村「モネの庭」マルモッタン公式サイトのリニューアルを行いました。施設スタッフが発信しやすい仕組みづくりとアクセシビリティ改善を支援しました。

睡蓮の浮かぶ池とバラのアーチのある庭の写真に、モネの庭のロゴマーク

考える

課題と提案

高知県北川村にある北川村「モネの庭」マルモッタンは、クロード・モネが晩年を過ごしたフランス・ジヴェルニーの庭を再現した庭園施設です。季節の花々がパレットのように広がる3つの庭が、全国各地から訪れる人たちを楽しませています。

2017年にWordPress化した公式サイトでは、開花状況やイベント情報など、スタッフが庭の様子を積極的に発信していました。しかし、スタッフが編集できる部分に制限があり、更新や発信がしにくいという課題がありました。また、最新情報を伝える「News」ではカテゴリが整備されておらず、コンテンツが埋もれている状態でした。

スタッフによる情報発信をしやすくするために、WordPressのテーマとエディタの刷新を提案しました。合わせて、さまざまな来園者に庭の魅力が伝わるよう、アクセシビリティの改善にも取り組みました。

サイトの裏側を全面刷新

クラシックエディタ+オリジナルテーマから、ブロックエディタ対応の汎用テーマへ移行

今回のリニューアルでは、サイトの表側のデザインは大きく変えず、裏側の構造を重点的に見直しました。旧WordPressサイトは、オリジナルテーマとクラシックエディタの組み合わせで構成されていました。WordPress本体のアップデート対応や継続的なメンテナンス性を重視し、信頼性の高い汎用テーマ(Snow Monkey)を採用しました。既存のデザインや構成の意図を保ちつつ、必要な部分はカスタマイズを加えて、全ページをブロックエディタで再構築しました。専門知識がなくても管理画面から直感的にコンテンツを編集できるようになり、レイアウトや表現の自由度が上がりました。

新旧の管理画面のキャプチャ。
旧管理画面(左)はパーツごとに入力欄が分かれており、自由度が少ない状態でした。新管理画面(右)では、実際のページ表示に近い状態で柔軟な編集が可能になりました。

庭の「今」が見えるカテゴリ設計

過去の「News」の傾向からカテゴリを整理し、関連情報との紐づけを強化しました。睡蓮の開花状況をタグづけした投稿が、見ごろの花を紹介するページにも表示される設計です。

更新マニュアルで引き継ぐアクセシビリティ

リニューアルに際し、サイト全体のアクセシビリティの見直しを行いました。 UIはキーボード操作や音声読み上げができるよう改善し、庭の移ろいを伝えるスライドショーには一時停止ボタンを設けました。

また、スタッフ向けの更新マニュアルには、コンテンツのアクセシビリティを確保するポイントを管理画面の操作方法と合わせてまとめました。スタッフの皆さんが日々の庭の写真に代替テキストを書いてくださっています。

写真:池の周りで緑と光が溶け合う風景
photo by Nae Fukata